79 医療DXは誰のため?現場の耳鼻科医が感じる課題

近年、「医療DX」という言葉を耳にする機会が増えました。
電子カルテ、オンライン資格確認、マイナ保険証など、医療のデジタル化は今後さらに進んでいくでしょう。
私自身も、医療の効率化や情報共有が進むことには賛成です。

しかし一方で、日々診療を行っている現場では、制度の進め方に疑問を感じる場面も少なくありません。
新しい制度が始まるたびに、診療所では機器の更新やシステム変更、スタッフ教育など、多くの準備が必要になります。

ところが、制度開始にシステム開発や認証作業が間に合わないこともあり、現場だけが対応に追われるケースもあります。
特に地方の診療所では、大病院のように専門部署があるわけではありません。
診療を続けながら、日常業務に加えて新たな制度へ対応していかなければならないのです。

医療DXは、本来であれば患者さんがより良い医療を受けるための仕組みであるはずです。
だからこそ、制度を作る側にも、実際に患者さんと向き合う医療現場の声に、もっと耳を傾けていただきたいと思っています。

デジタル化を進めることが目的ではありません。
患者さんにとってより良い医療を実現すること。
その原点を忘れずに、制度づくりが進んでいくことを願っています。

2026年08月28日