院長ブログ

 

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101 「国の借金が大変です」―その説明だけで、思考停止していませんか

テレビで経済の話を見ていると、「財源はどうするのか」「国の借金が増えて大変だ」という説明をよく耳にします。
財政について考えることは必要です。
ただ、その話ばかり聞かされると、私は疑問を感じます。

「支出を抑え続けた結果、国の力が弱くなることは考えないのでしょうか?」
私は、経済について会田さんの考え方などを読みながら、国が必要な支出を行い、経済を育てるという視点にも関心を持っています。

お金を使うことの問題を議論するなら、使わないことで生じる問題も議論するべきでしょう。
医療や教育、人を育てることを後回しにしたら、その影響はすぐには見えなくても、後から出てくるのではないでしょうか。

ところが、報道を見ていると、財政支出への懸念が前面に出て、別の考え方が十分に紹介されていないように、私には感じられます。
専門家の肩書が立派だからといって、その説明をそのまま受け入れる必要はありません。
何を前提にしているのか。別の見方はないのか。説明から抜け落ちているものはないのか。そこを考えたいのです。

もちろん、何にでも際限なくお金を使えばよい、と言っているわけではありません。
何に使い、どんな社会をつくるのか。その中身こそ議論してほしいと思います。

「借金が大変だから」で話を終わらせるのは簡単です。
しかし、その説明で必要な取り組みまで止めてしまうなら、誰の将来を守っているのでしょうか。
私は、テレビを見るときも、本を読むときも、そこを問い続けたいと思っています。

2026年11月04日

100 認知症の方と「一緒に何ができるか」を考える

先日、認知症の方との接し方についての話を読み、印象に残ったことがありました。
それは、「この人に何をしてあげるか」だけでなく、「この人と何ができるか」を考えるという視点です。

支援する側は、どうしても相手の困っていることや、できなくなったことに目を向けがちです。
もちろん、必要な支援を考えることは大切です。
ただ、その人と一緒にできることを探す姿勢も、忘れてはいけないと思います。

私の身近にも、認知症になった人がいます。
以前はとても頭の切れる人だっただけに、その変化を見ると、つらく感じることがあります。

一方で、その人が今どのように感じているのかを、周りがすべて理解できるわけではありません。
「認知症になったら、生活は楽しくなくなるのではないか」と聞かれても、私は簡単には答えられません。
楽しみがあるかどうかまで、周りが決めつけてよいのでしょうか。

支えるご家族や周囲の方には、大変なこともあると思います。
きれいごとだけでは済まないでしょう。
それでも、できなくなったことだけを見ると、その人との関わり方を狭めてしまうかもしれません。

「この人と、一緒に何ができるだろうか」
老いや認知症について考えるときに、持っていたい問いだと感じました。

2026年10月31日

99 「豊かさはいずれ庶民にも届く」という話への疑問

経済の話を聞いていると、「企業や豊かな人がさらに豊かになれば、その恩恵がやがて社会全体に広がる」という説明が出てきます。
いわゆる「トリクルダウン」という考え方です。

しかし、私はこの説明に疑問を持っています。
恩恵が広がるというのなら、日々の暮らしに余裕を持てない人たちには、いつ届くのでしょうか。

私は、企業の自由や小さな政府を重視する新自由主義の考え方について、豊かさの偏りを十分に解決できたのか、疑問に感じています。

企業が利益を出すことは大切です。
ただ、それを待っているだけで、医療や教育、地域の暮らしまで支えられるのでしょうか。
国が責任を持って取り組むべきこともあるはずです。

医療の現場にいると、利益や効率だけでは判断できないことがあります。
手間がかかっても必要な診療がありますし、すぐに成果が数字に表れなくても、続けるべき仕事があります。
これは、私自身の経済政策への考えです。異なる意見もあるでしょう。

それでも、政策を評価するときには、「誰が豊かになったのか」「誰の暮らしが良くなったのか」を確かめたいと思います。
立派な理論を聞くだけで納得するのではなく、その結果として、人々がどう暮らしているのか。私はそこを見たいのです。

2026年10月29日

98 電子カルテを変えて分かった「便利になる」までの現場の苦労

新しい電子カルテになり、私もスタッフも、ようやく操作に慣れてきました。
ただ、慣れてきたからといって、診療のスピードまで上がったわけではありません。
まだ操作に手がかかることもあり、日々工夫しながら診療を続けています。


現在は2台のパソコンを交互に使い、看護師にも手伝ってもらっています。
スタッフもよく対応してくれており、その協力には感謝しています。


こうしたシステムは、導入したらすぐに便利になるものではありません。
使い方を覚え、実際の診療に合わせて調整する時間が必要です。
その間も、毎日の診療は続きます。

「導入すれば効率化できます」という説明は魅力的ですが、その効率化にたどり着くまでの現場の苦労も、もう少し考えていただきたいものです。

予約システムについても導入を考えていますが、まずは今の運用が落ち着いてから進める予定です。
新しい仕組みを一度に増やせば、それだけスタッフの負担も大きくなります。

大切なのは、実際に使う私たちと、受診される患者さんにとって役立つ仕組みにすることです。
引き続き、現場で工夫を重ねていきたいと思います。

2026年10月26日

97 めまいは、すべて同じ病気ではありません

「めまいがする」と言って来院される患者さんは少なくありません。
しかし、めまいは一つの病気ではありません。症状が似ていても、その原因は人によって異なります。

例えば、寝返りを打ったときや、頭を動かしたときに短時間のめまいが起こる場合には、「良性発作性頭位めまい症」が考えられます。
耳の奥にある小さな石のようなものが本来の位置からずれ、平衡感覚に影響する病気です。

一方、回転するような強いめまいに加えて、耳鳴り、難聴、耳が詰まった感じなどを伴う場合には、メニエール病などが疑われます。
ほかにも、前庭神経炎、突発性難聴、薬の影響、血圧の変化、疲労、睡眠不足、不安やストレスなど、さまざまな原因があります。
脳梗塞など、耳以外の病気が隠れていることもあります。

めまいを「疲れているだけ」「いつものこと」と自己判断するのは危険です。
原因を見極めなければ治療方針を決められません。

同じ「めまい」という言葉でも、中身はまったく異なります。
繰り返すめまいや、長引くめまいでお困りの方は、我慢せずにご相談ください。

2026年10月21日
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