86 公立病院の赤字、実は「病院だけ」が負担しているわけではありません
「公立病院が赤字になっている」このようなニュースを目にすることがあります。
そう聞くと、「病院の経営がうまくいっていないのでは?」と思われる方も多いかもしれません。
しかし、地域医療のお金について調べてみると、もう少し複雑な仕組みになっていることが分かります。
公立病院には、救急医療、小児医療、周産期医療など、地域にとって必要不可欠でありながら、採算を取ることが難しい医療があります。
「赤字だからやめます」というわけにはいかない医療です。
そのため国は、こうした不採算医療などを維持するために、地方交付税などを通じて自治体財政を支える仕組みを設けています。
つまり、公立病院が担う医療のすべてを、病院自身の収入だけで維持することを前提としているわけではありません。
病院の「赤字」という数字だけを見て、「経営努力が足りない」と判断してしまうと、その背景にある仕組みを見落としてしまう可能性があります。
国がどのような財政措置をしているのか。
自治体が病院にどれだけ支出しているのか。
そして、病院がどのような不採算医療を担っているのか。
この3つを一緒に見る必要があります。
公立病院の赤字。
調べてみると、単純に「病院だけの経営問題」とは言い切れないことが見えてきます。