89 公立病院が赤字になる前に見たい「もう一つの数字」

公立病院について、「今年度は○億円の赤字でした」という数字が報道されることがあります。
もちろん重要な数字です。

しかし、地域医療のお金について調べていくと、赤字額と一緒に見ておきたい数字があることが分かります。
それが、自治体から病院への「繰出金」です。
公立病院は、救急などの不採算医療も担っています。
そこで自治体の一般会計などから病院事業へお金を支出し、地域に必要な医療を支えます。

ここで重要なのが、「病院はいくら赤字だったのか」だけではなく、「自治体から病院へ実際にいくら支出されたのか」も見ることです。
さらに、その背景には地方交付税などによる国の財政措置があります。

つまり、
国の財政措置
↓
自治体の財政
↓
病院への繰出金
↓
病院の経営
という流れで見ていく必要があります。

病院の赤字だけを切り取ってしまうと、この途中のお金の流れが見えません。
病院の経営努力が必要なのは当然です。
しかし、それと同時に、「地域に必要な不採算医療をどれだけ担っているのか」「それを支える財政措置はどうなっているのか」まで見る。
公立病院の赤字を考えるときに、私はこの視点も大切なのではないかと思っています。

2026年09月27日