社会の変化とともに医療も変わっていきます。
制度や環境が変化する中で最善の選択を考え続ける必要があります。
目の前の患者さんと向き合いながら、医療の未来について考えることも大切だと思っています。
身体が動き限りは、医師としてできることを続けていきたいと考えています。
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44 地域医療は組織の力で支えられています
地域の医療体制を維持するためには、組織としての取り組みが必要になります。
担い手が減る中で責任が集中することもありますが、必要な役割である以上向き合う必要があると感じています。
地域医療は一人では守れません。
支え合う仕組みが重要だと思います。
43 医療は診察室の外でも支えられています
医療は診療の場だけで成り立っているわけではありません。
地域の医療体制や制度の運営など、見えない部分が支えています。
こうした役割に関わる中で、医療は個人の努力だけでは維持できないものだと実感しています。
患者さんが安心して医療を受けられる環境を、様々な積み重ねによって守るようにしております。
42 無理をしない健康づくりが現実的だと思います
健康に関心があっても、大きなことを続けるのは簡単ではありません。
だからこそ、日常の中で無理なくできることを続けることが重要だと思います。
体にやさしい食事や生活のリズムを整えることが、結果として長く健康を保つことにつながると感じています。
41 若い世代の体調の悩みについて思うこと
最近は若い方でも体調の不調を感じる方が増えている印象があります。
生活環境や食事の変化など、さまざまな要因が関係しているのかもしれません。
最近は忙しさから食事を簡単に済ませる方も増えています。
外食や手軽な食事は便利ですが、体調への影響が出ることもあります。
もちろん個人差はありますが、生活習慣を見直すことで改善するケースも少なくありません。
無理な改善ではなく、できる範囲で食生活を整えることが現実的だと思います。
健康は特別な人のものではなく、誰にとっても身近なテーマだと思います。
40 人との交流が視野を広げてくれることがあります
医療は専門的な仕事ですが、人との関係の中で学ぶことも多いと感じています。
交流の場での会話や意見交換が、診療の考え方に影響することもあります。
医療は一人で完結するものではなく、つながりの中で深まっていくものだと思います。
39 医師も一人の生活者として社会を見ています
医師という仕事をしていても、日常生活の中で社会の動きを感じることは多くあります。
経済や株の話題に触れることもありますが、それは資産の話だけではなく、社会の方向性を知る一つの手がかりでもあります。
医療は社会の中にある仕事だからこそ、広い視点を持つことが必要だと感じています。
38 健康は日常生活の中で作られるものです
医療は病気を治す役割がありますが、健康そのものは生活の中で作られる部分が大きいと感じています。
食事、睡眠、生活リズム。
こうした基本的なことが体調に影響します。
特別なことをするよりも、続けられる習慣を持つことが大切だと思います。
37 食事はシンプルなものが体に合うと感じています
日々診療を続ける中で、体調と食事の関係を改めて実感することがあります。
特別な健康法ではなく、消化に負担をかけにくいシンプルな食事が体に合うと感じています。
豆腐のようなやさしい食品は年齢を問わず取り入れやすく、無理なく続けられる点も大切だと思います。
健康は一度に大きく変えるものではなく、日々の積み重ねの中で整っていくものだと感じています。
36 医師の専門性とは何か ― 標榜科の裏側
耳鼻咽喉科、麻酔科、アレルギー科。
標榜科には制度上のルールがありますが、実際には医師の専門性は一つではありません。
資格を持っていることと、日常診療で活かすことは別の話。
私は必要な分野に集中することを選んでいます。
肩書きの多さより、中身の深さを大切にしたいと考えています。
35 医療における「正しさ」とは何か
医療の世界に絶対的な正解は多くありません。
特に漢方のように経験と総合判断を重ねる医療では、一つの答えに決めつけることはできません。
可能性を広げ、複数の選択肢を考え、患者さん一人ひとりに合った方法を探す。
それが医療の本質だと私は考えています。
34 医師として、組織の中で責任を持つということ
医療現場の裏側では、診療以外にも多くの役割があります。
医師会活動や役員業務など、医療制度を支えるための仕事も少なくありません。
正直に言えば、負担は大きいです。
担い手が減り、役割が集中することもあります。
それでも、医療の質を守るためには、誰かが責任を持たなければなりません。
診察室の外でも、医療は続いています。
33 医師という仕事と家庭の両立
医師は想像以上に拘束時間の長い仕事です。
子育てにどれだけ関われたかと問われれば、正直、十分だったとは言い切れません。
休日も呼び出しがあり、夜遅くまで働くことも多い。
その中で家族と向き合う時間をどう作るかは、簡単なことではありません。
それでも、子どもをお風呂に入れたり、遊びに連れていったり、できることはしてきたつもりです。
今振り返ると、もっとできたこともあったかもしれません。
医療の現場と家庭のバランスは、多くの医師が悩むテーマです。
32 未病という考え方 ― 病気になる前に整える医療
漢方の話の中で出てきた「未病(みびょう)」。
まだ病気とは診断されないが、どこか調子が悪い、何かがおかしい。
西洋医学では異常値が出ない。
でも、本人はつらい。
未病を整えるという考え方は、これからの医療にとって重要だと思っています。
「検査で異常がない=問題ない」ではなく、体のバランスという視点から見る。
耳鼻咽喉科であっても、全身との関係を無視することはできません。
31 漢方という「もう一つの医療の見方」
私は耳鼻咽喉科医ですが、漢方にも関心を持ってきました。
西洋医学は、病名をつけてその病気を治療する医療です。
一方、漢方は少し考え方が異なります。
舌の状態、脈の打ち方、腹部の緊張感。
体全体のバランスを見て、「歪み」を整えることで改善を目指します。
病気になる前の状態――いわゆる「未病」を整える、という発想です。
すべてを漢方で治すわけではありません。
しかし、病名だけでは説明しきれない不調があるのも事実です。
医療には一つの正解だけがあるわけではありません。
多角的に考えることも、大切な姿勢だと思っています。
30 当院のスタンス
もし他院との会計に違いを感じることがあれば、それはこうした制度と判断の違いが背景にあるかもしれません。
疑問があれば、どうぞ遠慮なくお尋ねください。
医療の中身だけでなく、制度の仕組みについても丁寧に説明することが、医師の責任だと思っています。
しかし、ここは誤解しないでください。
他の医院が加算を算定していることを、批判するつもりはありません。
制度が認めている以上、正当な判断です。
医療機関ごとに経営状況も違います。
ただ、当院としては、現時点では算定しないものがあるという判断をしています。
それだけの話です。
当院は、そうした考えのもとで診療を続けています。
29 「取れるから取る」ではなく「意味があるかどうか」
制度がある以上、算定することは当然だ、という考え方も理解できます。
一方で私は、その加算が本当に患者さんにとって意味のあるものかどうかを、一つひとつ考えたいと思っています。
医療は制度の中にありますが、同時に信頼の上に成り立っています。
制度に従うことと、自分が納得して選択することは、必ずしも同じではありません。
当院は、制度を尊重しながらも、患者さんの負担とのバランスを大切にする姿勢を取りたいと考えています。
28 医療費は「数字」ではなく「生活の一部」
政策の世界では、医療費は「社会保障費」という数字で語られます。
しかし診察室では、それは生活費の一部です。
年金生活の方。
子育て世帯。
働きながら通院している方。
その中での数十円、数百円は、決してゼロではありません。
医療費抑制を進めるのであれば、患者さんの負担増以外の方法をまず議論すべきだと私は考えています。
27 自己負担額の違いについて
こうした判断の結果として、場合によっては他院と会計に差が出ることがあるかもしれません。
当院のほうが低くなることもあれば、他院のほうが高くなることもあると思います。
それは優劣の問題ではありません。
医療機関ごとの考え方や経営方針の違いです。
他院が間違っているということではなく、制度の中でそれぞれが判断しているということです。
26 当院の立場について
当院では、新設された加算の一部について、現時点ではあえて算定していないものが複数あります。
制度上は問題なく算定できますし、算定すること自体は正当な判断です。
そのうえで私は、患者さんの自己負担額を少しずつ増やしていく形で医療費を抑えていくやり方には、正直なところ納得しきれていない部分があります。
医療費が増えていることも、財政的な課題があることも理解しています。
それでも、窓口で支払う金額が静かに積み重なっていくことについては、医師として一度立ち止まって考えたいと思っています。
そのため、「取れるからすべて取る」という選択はしていません。
25 クリニックによって自己負担額に違いが生まれている理由
最近の診療報酬改定により、医療機関ごとに算定できる加算項目が増えています。
制度上、一定の条件を満たせば算定が可能であり、多くの医療機関が適切に申請・算定を行っています。
そのため、医療機関ごとの判断によって、患者さんの自己負担額に違いが生じることがあります。
同じような症状、同じような診療内容であっても、会計に差が出る場合があるのは、こうした制度の仕組みが背景にあります。
24 なぜ自己負担が上がるのか
診療報酬改定では、新しい加算(追加点数)が設定されることがあります。
例えば、
・医療DX加算
・地域包括加算
・機能強化加算
・外来管理加算の見直し
こうした項目は、要件を満たせば医療機関が算定(請求)できます。
他の医院では、制度上問題がなければ積極的に算定しているところもあります。
それ自体はルール違反ではありません。制度が認めているものです。
ただ、その分、患者さんの自己負担額は上がります。
3 割負担の方であれば、数十円から百円台の差かもしれません。
しかし通院が続けば積み重なります。
23 診療報酬改定と自己負担額について、正直にお話しします
最近、「前より少し会計が高くなった気がする」と感じている方もいらっしゃるかもしれません。
その背景には、診療報酬改定があります。
医療費は、国が決める「診療報酬」という仕組みで計算されています。
これは医療機関が自由に価格を決めているわけではありません。
国が「この検査はいくら」「この処置はいくら」と細かく点数を決めています。
そして改定のたびに、その内容が変わります。
22 合わない人がいても構わない
このブログを読んで、「医師は政治を語るべきではない」と感じる方もいるでしょう。
その考えも尊重します。
ただ私は、無難にまとめるよりも、本音を示したほうが誠実だと考えています。
思想を持つことと、患者さんに誠実であることは矛盾しません。
21 支持政党よりも政策の中身
私は政党名で判断しません。
重要なのは、
・医療をどう位置づけているか
・社会保障をどう考えているか
・現場の声を聞いているか
右か左かという単純な話ではありません。
医療を守ると言いながら、現場を締め付ける政策を出すなら矛盾です。
2026 年2月8日(日)に行われた衆院選でも同様に、思想よりも整合性を見ていました。
20 医師が静かにしていると何が起きるか
医療者が政治に触れないことは、一見すると中立に見えます。
しかし実際には、「現状を追認する」という立場になります。
制度が現場を苦しめていても、医師が黙っていれば何も変わりません。
私は、医療が静かに弱体化していくことを無関心で見ているつもりはありません。
医師は聖職者ではありません。
社会の中で働く一人の専門職です。
だからこそ、制度や政策に意見を持つことは責任の一部だと思っています。
その理由もあって、幻冬舎から出版された 私の著書「医療崩壊前夜 2025/3/4」にも、思いの丈をぶつけています。
19 医療現場から見える「政治の責任」
私は医師ですが、政治の話を避けません。
なぜなら、政治は医療の外側にあるものではないからです。
診察室で患者さんと向き合っていると、制度の影響を日々感じます。
「自己負担が上がったので、様子を見ます」
「検査は最小限でお願いします」
「年金生活なので、薬は減らせますか」
これらは個人の問題ではありません。制度設計の結果です。
医療費抑制、財政健全化、社会保障削減…
それらの言葉は、政策の世界では数字で語られます。
現場では「受診を控える人が増える」という形で現れます。
私は医療費を無制限に増やせと言っているわけではありません。
しかし、財政規律だけで語られる医療政策には疑問を持っています。
医療はコストではなく、社会の基盤です。
感染症が広がったとき、医療が崩れれば社会は止まります。
高齢者医療が弱れば、家族の生活も不安定になります。
政治は、未来の医療の形を決めます。
だから私は選挙を他人事にしたくありません。
18 思想は持つが、診療は公平に
ここを誤解しないでください。
私は診察室では、思想を持ち込みません。
どんな立場の方でも、症状に対して最善を考えます。
思想は社会への姿勢。
診療は専門職としての判断。
これは分けて考えています。
17 医療の未来を決めるのは誰か
医療の未来は、専門家だけでは決まりません。
有権者の判断が積み重なって決まります。
だから私は、患者さんにも選挙に行けとは言いませんが、「関心は持ってほしい」と思っています。
医療費がどう決まるか。
保険制度がどう変わるか。
それは生活の一部です。
16 選挙に行かない医療従事者が増えると、医療は弱くなる
私は選挙に行きます。
特別な理由はありません。
社会の方向を決める機会だからです。
医療制度は、政権が変われば方針も変わります。
・診療報酬改定
・保険適用範囲
・高齢者負担割合
これらは政治の決定です。
投票率が下がれば、現場の声は届きにくくなります。
医療は声を上げないと、後回しにされやすい分野です。
なぜなら、医療従事者は忙しく、政治活動に時間を割けないからです。
しかし、無関心は選択です。
私は現場を知る立場として、最低限の意思表示は続けます。
15 医師が黙っていることのリスク
「医師は医療だけやっていればいい」
そう言われることもあります。
しかし、医師が社会の動きに無関心になったとき、医療は簡単に、数字や効率だけの世界になります。
医療が壊れていくときは、いつも「静かに」「気づかれないうちに」進みます。
だから私は、 医療者としての立場から、社会や政治について考え、必要な場面で伝えていくことをやめたくありません。
14 政治は診察室の外の話ではない
医療費、社会保障、診療報酬、医療制度 …
これらはすべて、政治の決定によって左右されます。
患者さんが
「医療費が高くて通院を控えている」
「将来が不安で、治療をためらっている」
こうした声を口にされるたびに、私は思います。
これは個人の問題ではなく、社会の仕組みの問題だと。
診察室の中で起きていることは、 国の方針や政治の結果が、静かに現れている姿でもあります。
13 「こんなことで受診していいのかな?」と迷ったら
患者さんからよく聞く言葉の一つに、
「これくらいで病院に来るのは大げさですか?」
というものがあります。
結論から言えば、不安を感じている時点で、受診する理由は十分にあります。
症状の重さだけでなく、「気になる」「心配」という気持ちも、大切なサインで
す。
当院は、重い病気だけを見る場所ではありません。
日常の中で感じる小さな不調や違和感も、安心して相談できる場所でありたいと考
えています。
12 鼻水・鼻づまりが続くとき、放っておいて大丈夫?
「鼻水が出る」「鼻がつまる」
よくある症状だからこそ、つい我慢してしまう方も多いかもしれません。
しかし、症状が長く続く場合、単なる風邪ではなく、副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎などが隠れていることがあります。
特に、
・黄色や緑色の鼻水が続く
・頭が重い感じがする
・においが分かりにくくなった
といった症状がある場合は、一度きちんと確認することが大切です。
早めに原因を見極めることで、症状を長引かせずに済むことも多くあります。
「このくらいで受診していいのかな」と迷ったときこそ、気軽にご相談ください。
11 風邪が長引く人と、すぐ治る人の違いとは?
同じように風邪をひいても、数日で回復する人もいれば、なかなか治らず長引いてしまう人もいます。
この違いの一つに、「体の抵抗力(免疫力)」があります。
睡眠不足が続いていたり、疲れがたまっていたり、強いストレスを感じていると、体の回復力は低下しやすくなります。
また、「無理をして治りきらないまま動き続けてしまう」ことも、症状が長引く原因になることがあります。
薬を飲んで一時的に楽になっても、体の中ではまだ回復途中という場合も少なくありません。
当院では、症状そのものだけでなく、生活状況や体調の変化も踏まえて診察を行います。
必要に応じて、「今は無理をしない方が良い時期ですよ」とお伝えすることもあります。
10 「ちゃんと説明してもらえた」と感じてもらうために
病院で説明を受けたけれど、
「よく分からないまま診察が終わってしまった」
そんな経験はありませんか?
医療の現場では、どうしても専門用語が多くなりがちです。
また、忙しい診察の中で、質問をするタイミングを逃してしまうこともあるかもしれません。
当院では、患者さんが「理解できた」「納得できた」と感じられることを大切にしています。
病名や治療内容だけでなく、
・なぜその症状が起きているのか
・このまま様子を見てよいのか
・気をつけるポイントは何か
といった点も、できるだけ分かりやすい言葉でお伝えするよう心がけています。
「こんなことを聞いていいのかな」と思う必要はありません。
疑問や不安があれば、遠慮なくお話しください。
9 患者さんあっての医療、という信念
私が医師になった頃から、考え方は大きく変わっていません。
「患者さんがいてこそ、医療がある」
この一点だけは、ずっと揺らいでいません。
診察では、できるだけ丁寧に説明することを心がけています。
薬を出すときも、出さないときも、その理由を伝えたい。
納得したうえで治療を受けていただきたい。
効率や流れ作業を優先する診療には、私は違和感を持っています。
時間は限られていますが、それでも人として向き合う姿勢は失いたくありません。
8 医師として「ブレない」ために、医療以外の軸を持つ
私は、医師が医療収入だけに依存しすぎることには、危うさも感じています。
余裕がなくなれば、判断は鈍ります。
理想を掲げていても、現実に引きずられてしまうことがある。
そのため、私は経済や投資についても学んできました。
それは決して「儲けたい」からではありません。
医師としての判断を、経済的な事情から切り離すためです。
患者さんにとって最善の選択をするためには、
医師自身が精神的にも経済的にも、ある程度の余裕を持っている必要がある。
これは、長年診療を続けてきて、私が実感していることです。
7 医療だけを見ていては、患者さんは診られない
私は耳鼻咽喉科医ですが、医療のことだけを考えて生きてきたわけではありません。
むしろ、社会の仕組みや経済、政治の動きに強い関心を持ちながら、ここまで診療を続け
てきました。
医療は、決して医療だけで完結する世界ではありません。
医療費、社会保障、経済状況、国の政策。
それらすべてが、患者さんの生活や健康状態に直結しています。
「医師が政治や経済の話をするのはどうなのか」
そう思われる方もいるかもしれません。
ですが私は、医療者こそ、社会全体を見なければならない立場だと考えています。
6 日本の医療は、安すぎる?
日本の医療費は、世界的に見ても低水準だと言われています。
少ない自己負担で、いつでも医療を受けられる。
これは日本の大きな強みであり、多くの国から評価されている点です。
実際、風邪をひいたとき、けがをしたとき、「すぐに病院に行ける」という安心感は、私たちの日常に深く根付いています。
一方で、その「安さ」は、決して自然に生まれたものではありません。
医療機関では、
・高度な医療機器
・薬剤
・専門的な知識と技術
・多くのスタッフ
によって、医療が成り立っています。
これらには当然、コストがかかります。
しかし日本では、医療費が厳しく抑えられているため、現場では常に「限られた条件の中で、質を保つ」努力が求められています。
安く医療を受けられることは、確かに大きなメリットです。
ただ、その裏側で何が起きているのか。
少し立ち止まって考えてみることも、大切なのかもしれません。
「安さ」と「質」を、どう両立させるのか。
それは、これからの日本の医療が直面している大きな課題です。
5 医療は、少しずつ変わっています
「医療崩壊」という言葉を聞くと、多くの方は、突然病院が閉まり、医療が一気に受けられなくなるような大きな出来事を想像されるかもしれません。
しかし、実際の医療現場で起きている変化は、もっと静かで、目立ちにくいもので
す。
・後継者がいないまま、高齢の医師が診療を続けている
・スタッフが集まらず、診療時間を短縮せざるを得ない
・医療機器が古くなっても、簡単には更新できない
こうした一つひとつは、ニュースになるような出来事ではありません。
けれども、その小さな変化が積み重なった先に、地域医療の力は少しずつ弱っていきます。
「前より待ち時間が長くなった」
「診てもらえる日が限られてきた」
そんな“違和感”こそが、医療が変わり始めているサインでもあります。
医療は、ある日突然壊れるのではなく、静かに少しずつ姿を変えていくものなのです。
4 なぜ医師は足りなくなっているのか
ニュースなどで「医師不足」という言葉を耳にする機会が増えています。
すると、多くの方は
「医師の数が足りないのでは?」
と感じるかもしれません。
しかし実際には、医師不足の問題は 単に人数が少ないという話ではありません。
医療の現場では、いくつもの要因が重なり合って、「医師が足りないと感じる状況」が生まれています。
まず一つは、働き方の問題です。
医師は診察だけでなく、
・書類作成
・説明対応
・緊急対応
・医療安全への配慮
など、多くの業務を抱えています。
次に、地域の偏りです。
都市部には医師が集まりやすく、地方や郊外では、少人数で広い地域を支えなければならないケースも少なくありません。
さらに、医療の専門分化も影響しています。
医療が高度化するにつれて、一人の医師がカバーできる範囲は狭くなり、以前よりも多くの医師が必要になっています。
こうした状況が重なった結果、「どこに行っても医師が足りない」という感覚が生まれているのです。
医師不足とは、誰かが怠けているからでも、医師が増えていないからでもありません。
医療の形が変わる中で、今までの仕組みが追いつかなくなっているその現れだといえるでしょう。
3 セカンドオピニオンは、失礼なことですか?
「他の病院に行ったら、今の先生に悪いかな」
「疑っていると思われないかな」
セカンドオピニオンを考えたとき、こうした気持ちになる患者さんは少なくありません。
日本では特に、医師に対して遠慮したり、「お任せするのが礼儀」と感じたりする文化があります。
そのため、疑問や迷いがあっても、一人で抱え込んでしまう方も多いのが現実です。
しかし、医療は人生に深く関わる大事な選択です。
治療の方法、
手術をするかどうか、
薬を続けるかどうか。
どれも、その後の生活や人生に影響します。
そうした場面で、複数の医師の意見を聞くことは、決して失礼なことではありません。
むしろ、納得して治療を受けるための、とても健全な行動です。
医師の考え方や経験、専門分野によって、診断や治療方針が異なることは珍しくないのが実態です。
それは、どちらが正しい・間違っているという話ではなく、医療がそれだけ奥深い分野だということです。
セカンドオピニオンを受けることで、
・自分の状況がよりよく理解できた
・不安が整理できた
・今の治療方針に納得できた
というケースも多くあります。
患者さんが 「自分の人生として選ぶ医療」
そのために、セカンドオピニオンは存在しています。
2 「良い医者」とは、何を基準に選べばいいのか
体調が悪くなったとき、患者さんは「どの病院に行くか」「どの医者に診てもらうか」を選ばなければなりません。
ですが、多くの方はこう感じているのではないでしょうか。
● 家から近いから
● 待合室が混んでいるから人気なのだろう
● 昔から通っているから
● 他に選択肢がよく分からないから
これらは決して間違った理由ではありません。
ただ一方で、「自分にとって本当に合った医師かどうか」という視点は、意外と置き去りにされがちです。
では、患者さんの立場から見て、良い医師とはどのような医師でしょうか。
私はまず、次の点が大切だと考えています。
1.説明が分かりやすい医師
病名や治療内容を、専門用語ばかりではなく、患者さんが理解できる言葉で説明してくれるかどうか。
「今どんな状態なのか」
「なぜこの治療をするのか」
こうした説明があるだけで、不安は大きく減ります。
2.質問しやすい雰囲気がある医師
患者さんが遠慮してしまい、「聞きたいけれど聞けない」状態になっていないか。
良い医療は、医師の一方通行では成り立ちません。
患者さんが納得して治療を受けられることが重要です。
3.治療の見通しを伝えてくれる医師
「どのくらいで良くなるのか」
「通院はどれくらい続くのか」
こうした見通しを示してもらえると、生活の中で治療をどう位置づければいいのかが分かります。
医師選びに正解はありません。
ただ、「安心して任せられるかどうか」という感覚は、とても大切な判断材料になります。
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院長の原口 兼明がブログを始めました。私の主観を定期的に発信していきます。