私は耳鼻咽喉科医としての診療だけでなく、学校医としても地域の子どもたちの健康を見守っています。
学校医というと、健康診断を行う医師というイメージを持たれる方が多いかもしれません。
しかし実際には、感染症対策や学校環境の確認、健康相談など、さまざまな役割があります。
子どもたちは自分の体調の変化をうまく言葉にできないことがあります。また、保護者の方や先生方が気付いていない問題が見つかることもあります。
学校医の仕事は、病気を治療するというよりも、子どもたちが安心して学校生活を送れる環境を支えることにあります。
地域の子どもたちの成長に関わることができるのは、大変責任のある仕事ですが、同時に大きなやりがいも感じています。
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69 医療DXは誰のため? 現場の医師が感じる違和感
近年、「医療DX」という言葉を耳にする機会が増えました。
電子カルテや電子処方箋、マイナ保険証など、医療のデジタル化は確実に進んでいます。
もちろん、患者さんの利便性向上や情報共有の観点から、デジタル化そのものに反対するつもりはありません。
しかし現場の医師として感じるのは、「制度と現場の準備にズレがある」ということです。
新しい仕組みを導入するためには、システム整備や職員教育、費用負担など多くの課題があります。
制度だけが先行し、現場が追いついていないと感じる場面も少なくありません。
医療で本当に大切なのは、新しい制度を作ることではなく、患者さんにより良い医療を届けることです。
便利さを追求するだけではなく、現場の声にも耳を傾けながら、患者さんにとって本当に役立つ医療DXが進んでいくことを厚生労働省の方々には期待しています。
68 綿棒は耳掃除に向いていません
耳掃除に綿棒を使っている方は多いと思います。
しかし綿棒は耳あかを取るというより、奥へ押し込んでしまうことが少なくありません。
耳鼻咽喉科で診察すると、耳の奥に耳あかが固まって詰まっている方も珍しくありません。
特にお子さんの場合は、保護者の方が良かれと思って行った耳掃除が原因で耳あかが奥に押し込まれていることもあります。
耳掃除は「しなければいけないもの」ではなく、「必要な時だけ行うもの」と考えていただくのが良いかもしれません。
67 耳かきは本当に必要なのでしょうか?
「毎日耳かきをしています」
「耳あかがたまるのが気になります」
「綿棒で掃除しないと不潔な気がします」
診察をしていると、このようなお話をよく伺います。
しかし実は、耳あかは自然に外へ出てくる仕組みを持っています。
皮膚が少しずつ外側へ移動することで、耳あかも一緒に運び出されるため、多くの方は頻繁な耳かきをしなくても問題ありません。
むしろ耳かきをし過ぎることで、
・耳の中を傷つける
・炎症を起こす
・耳あかを奥へ押し込む
・外耳炎になる
といったトラブルが起こることがあります。
耳がかゆいから耳かきをする、耳かきをするからさらにかゆくなる、という悪循環も少なくありません。
耳かきは毎日の習慣にする必要はありません。
気になる症状がある場合は、無理に掃除をするのではなく耳鼻咽喉科へご相談ください。
66 「薬を出さないこと」が正しいとは限りません
近年は「薬は少ない方が良い」「抗生剤は使わない方が良い」という考え方が広く知られるようになりました。
確かに不要な薬は避けるべきです。
しかし、だからといって薬を出さないこと自体が正しいわけではありません。
患者さんの中には、「風邪をひくと毎回副鼻腔炎になる」「毎回中耳炎を繰り返す」という方もいらっしゃいます。
そのような方には、適切なタイミングで薬を使用した方が結果的に早く治ることがあります。
当院では制度や流行だけに左右されず、患者さん一人ひとりの状態を見ながら治療方針を決めています。
65 なぜ薬の数が少ない方が評価されるのでしょうか?
診療報酬には、処方する薬の数によって評価が変わる仕組みがあります。
一般的には薬の数が増えるほど、医療機関が受け取る処方箋料は低くなります。
そのため医療制度全体としては、「必要以上に薬を増やさない」という方向性が取られています。
もちろん薬の飲み過ぎを防ぐことは大切です。
一方で、患者さんによっては
・咳が強い
・鼻水がひどい
・のどの痛みが強い
・痰が絡む
など複数の症状が同時に出ていることがあります。
そのような場合には、薬の数が多少増えても症状改善を優先した方が良いこともあります。
当院では薬の数を減らすことを目的にするのではなく、本当に必要な薬を見極めることを大切にしています。
64 患者さんが知らない「医療制度の仕組み」
私たち医師は、診療を行うと「診療報酬」と呼ばれる報酬を国の制度に基づいて受け取っています。
この診療報酬にはさまざまなルールがあり、実は患者さんにはあまり知られていない仕組みもあります。
例えば、抗生剤を使用しなかった場合に評価される仕組みがあります。
これは抗生剤の使い過ぎによって耐性菌が増えることを防ぐために作られた制度であり、考え方としては理解できる部分もあります。
しかし実際の診療現場では、「抗生剤を使わない方がよい患者さん」もいれば、「抗生剤を使った方が早く治る患者さん」もいます。
大切なのは制度ではなく、その患者さんにとって何が最善かということです。
当院では診療報酬のためではなく、患者さんの状態に合わせて必要な治療を選択することを大切にしています。
63 風邪なのに抗生剤が処方されることがある理由
「風邪なのに抗生剤が出たのはなぜですか?」というご質問をいただくことがあります。
一般的な風邪の多くはウイルスによる感染症です。
そのため、ウイルスそのものに対して抗生剤は効果がありません。
しかし、風邪をきっかけに細菌感染が加わることがあります。
これを「二次感染」と呼びます。
例えば、副鼻腔炎(蓄膿症)や中耳炎、扁桃炎などは、風邪の後に起こることが少なくありません。
また、「風邪をひくと毎回 蓄膿症になる」という方もいらっしゃいます。
そのような方では、細菌感染を考慮した治療が必要になる場合があります。
当院では、単に「風邪だから抗生剤は不要」と判断するのではなく、症状の経過や患者さんの体質も含めて総合的に診察した上で治療方針を決めています。
62 抗生剤は使わない方が良いのでしょうか?
近年、「抗生剤はなるべく使わない方が良い」という話を耳にする機会が増えました。
確かに、必要のない場面で抗生剤を使用し続けると、薬が効きにくい耐性菌が増える原因となるため、適切な使用が求められています。
しかし、「抗生剤を使わないこと」が必ずしも正しいとは限りません。
耳鼻咽喉科では、中耳炎や副鼻腔炎、扁桃炎など細菌感染が関わる病気を数多く診療しています。
そのような場合には、抗生剤が症状改善に大きく役立つことがあります。
大切なのは、抗生剤を出すか出さないかではなく、「その患者さんに本当に必要かどうか」を見極めることです。
当院では症状や経過を丁寧に確認しながら、必要な方には適切なタイミングで抗生剤を使用しています。
61 なぜ当院は必要以上の通院をおすすめしないのか
耳鼻咽喉科を受診された患者さんから、「何回くらい通えば治りますか?」というご質問をいただくことがあります。
もちろん病気によって異なりますが、当院ではできるだけ早く症状を改善し、患者さんの負担を減らすことを大切にしています。
治療のゴールが見えないまま何となく通院を続けるのは、患者さんにとっても不安です。
仕事や学校、家事などで忙しい中、何度も受診することは決して簡単なことではありません。
そのため当院では、現在の状態や治療の見通しをできるだけ分かりやすくお伝えし、必要な期間で治療を終えられるよう心掛けています。
もちろん症状によっては経過観察や追加治療が必要になることもあります。
しかし、「通院すること」が目的ではなく、「しっかり治すこと」が目的です。
患者さん一人ひとりに合わせた診療を行いながら、できるだけ早い改善を目指しています。
60 「完璧」ではなく、「少し意識する」こと
食の問題は、突き詰めると不安ばかりになってしまいます。
「何を食べればいいのか分からない」
「完全に安全なものなんてあるのか」
そう感じることもあります。
だからこそ大切なのは、「完璧を目指す」ことではなく、「少し意識して選ぶ」ことなのかもしれません。
・少し表示を見る
・少し生産背景を知る
・少し良いものを選ぶ
その積み重ねが、未来の健康につながっていくのではないかと思います。
59 グリーンコープを利用している理由
我が家では、最近「グリーンコープ」という宅配サービスも利用しています。
グリーンコープでは、
・化学合成農薬を極力減らした野菜
・国産原料にこだわった食品
・添加物をできるだけ抑えた商品
などが多く扱われています。
実際にパンフレットを見ると、「農薬半減」「化学合成農薬を使わず栽培」「遺伝子組み換え対策」など、かなり細かく記載されています。
もちろん、価格は一般的なスーパーの商品より高いものもあります。
それでも、「子どもたちが口にするもの」「毎日体に入るもの」を考えると、できる範囲で選択していくことも大切なのではないかと感じています。
58 「安いもの」と「少し高いもの」の違いを見るようになった
以前は、正直あまり気にせず購入していました。
ただ最近は、原材料・遺伝子組み換え表示・凝固剤・栽培方法・生産者情報などを見るようになりました。
例えば豆腐であれば、「国産大豆使用」「遺伝子組み換えでない」「にがり(塩化マグネシウム)使用」 などの表示を、以前より意識して見るようになりました。
もちろん、安価な商品が悪いという話ではありません。
ただ、「毎日口にするもの」だからこそ、少しでも納得できるものを選びたい、という気持ちがあります。
57 私が「少し高くても選ぶ食品」 ― 大豆製品について考える
最近、食や農薬について調べる中で、私自身も、普段買う食品を少し見直すようになりました。
もちろん、すべてを完璧に変えることは難しいです。
価格の問題もありますし、「完全に安全なもの」を見極めることも簡単ではありません。
その中で、私自身が特に意識するようになったのが、豆腐・納豆・豆乳・枝豆などの「大豆製品」です。
56 農家さんもまた、苦しんでいる
農薬問題は、単純に「使う側が悪い」という話ではありません。
実際、農業現場では、高齢化、人手不足、害虫対策、見た目の良い商品を求められる市場など、多くの課題があります。
無農薬で大量生産することは簡単ではなく、時間も手間もかかります。
だからこそ、「できるだけ減らしたい」「でも現実的には難しい」という葛藤を抱えながら農業をされている方も多いと思います。
消費者側も、生産者側も、お互いの現実を知ることが大切なのかもしれません。
55 健康で生きられるという幸せ
ALS(筋萎縮性側索硬化症)や筋ジストロフィーなど、身体が徐々に動かなくなっていく病気があります。
医療の現場では、こうした難病と向き合っている方々も少なくありません。
実際に患者さんやご家族を見ていると、
・自分で歩ける
・呼吸できる
・食べられる
・会話できる
そんな「当たり前」が、実はとても尊いものだと感じさせられます。
「幸せとは何か」その問いに対して、「健康で日常を送れること」そのものが、一つの答えなのかもしれません。
54 オーガニックなら安心? ― 食品表示の難しさ
最近では、オーガニック、有機JAS、無農薬、減農薬という言葉をよく見かけるようになりました。
ただ、実際には、その違いを正確に理解している人は少ないかもしれません。
例えば、「オーガニック」と書かれていても、完全無農薬ではないケースもあります。
農業は、害虫や病気との闘いでもあり、完全無農薬で安定供給することは簡単ではありません。
そのため、農薬半減、低農薬、化学合成農薬を極力減らす等といった努力をしている農家さんも多くいます。
大切なのは、「ゼロか100か」ではなく、「少しでも良いものを選ぼうとする意識」なのかもしれません。
53 なぜ特別支援学校が増えているのか?
近年、特別支援学校の生徒数増加が話題になることがあります。
実際に、教室不足、教員不足、現場の負担増加などが、国会でも議論されています。
もちろん背景には、
・診断技術の向上
・社会的理解の進展
・昔は見逃されていたケースの可視化
など、さまざまな要因があります。
一方で、環境要因との関連を指摘する研究も存在しています。
特に近年では、農薬や化学物質と神経発達との関連性を研究する専門家も増えてきています。
「少子化なのに、なぜ割合として増えているのか?」
この問いに対して、社会全体で向き合っていく必要があるのかもしれません。
52 きれいな野菜は本当に安全? ― ネオニコチノイドという農薬について
最近、「ネオニコチノイド」という言葉を耳にする機会が増えてきました。
ネオニコチノイドは、比較的新しいタイプの殺虫剤で、現在の農業現場では広く使われています。
害虫駆除に高い効果がある一方で、近年では、神経発達や環境への影響を懸念する声も世界的に増えてきています。
ヨーロッパでは規制が進んでいる国もありますが、日本ではまだ一般の方にはあまり知られていないのが現状です。
実際に農薬売り場へ行ってみると、商品名だけでは何がどの成分なのか、一般の消費者にはほとんど分かりません。
「どの野菜を選べばいいのか分からない」
これは、多くの方が感じていることではないでしょうか。
もちろん、農薬=すべて悪、という単純な話ではありません。
農業は害虫との戦いでもあり、生産者側にも大きな苦労があります。
その上で、
・まず知ること
・表示を見ること
・食に関心を持つこと
が、これからますます大切になってくるのではないかと感じています。
51 なぜ地方のクリニックでは、ベテランの医師が現場を離れていくのか
近年、長年地域医療を支えてきた医師が診療の現場を離れるケースが増えてきています。
その背景の一つに、医療制度の変化があります。
現在の医療では、
・電子カルテ
・電子処方箋
・オンライン資格確認
など、さまざまな新しい仕組みへの対応が求められています。
これらは医療の質向上につながる一方で、現場には大きな負担も伴います。
特にベテランの医師にとっては、
・新しいシステムへの対応
・継続的なコスト負担
・運用の複雑さ
が重なり、「ここで一区切りにしよう」と考える理由の一つになっています。
こうした流れは、単に医療機関の問題ではありません。
地域にとっては、
・かかりつけ医が減る
・医療へのアクセスが変わる
といった影響にもつながります。
医療は「あること」だけでなく、「続けられること」が重要です。
制度の変化と現場の実情。そのバランスをどう取っていくか。
これは、これからの医療を考える上でとても大切なテーマだと感じています。
厚労省の方々は、他人事ではなく自分事として、現場に見合った医療制度を整えてほしいと思います。
50 医療のデジタル化、その費用は誰が負担しているのか?
最近、医療の現場では電子カルテや電子処方箋など、デジタル化が急速に進められています。
患者さんにとっては、
・受付がスムーズになる
・情報共有がしやすくなる
といったメリットがあります。
一方で、あまり知られていないのがその導入や維持にかかる費用の問題です。
こうしたシステムには、
・初期の導入費用
・毎月の利用料
・セキュリティ対策費
などが必要になります。
そしてその多くは、医療機関側の自己負担で賄われているのが現状です。
さらに現在の制度では、電子カルテや電子処方箋などの体制が整っていないと、診療報酬上の評価(点数)が得られない仕組みになっています。
つまり、
・導入すればコストがかかる
・導入しなければ評価が下がる
という構造です。
医療のデジタル化は、今後必要な流れです。
しかし、「制度として求めるのであれば、どこまで支援するのか」という視点も同時に重要です。
実際の現場では、
・コスト
・運用負担
・セキュリティ対応
といった現実と向き合いながら、日々の診療が行われています。
49 日本の医療は本当に恵まれているのか?海外との違い
日本の医療は、「誰でも比較的安く受けられる」という点で世界的に評価されています。
一方で、海外と比較すると違いもあります。
例えば、
・欧州:国が医療設備やシステムに大きく投資
・アメリカ:民間中心で医療費は高額
・日本:医療機関の自己負担が大きい
という特徴があります。
特に最近は、電子カルテや IT 化が進む中で、その導入コストや運用負担が医療機関に委ねられている現状があります。
これは最終的に、
・医療機関の経営
・医療の持続性
に影響していきます。
患者さんにとって大切なのは、「今だけでなく、将来も安心して医療を受けられること」。
そのために、制度や仕組みを知ることも重要な視点だと考えています。
48 マイナ保険証は本当に便利なのか?
マイナ保険証は、
・情報共有ができる
・受付がスムーズになる
といったメリットがあるとされています。
一方で、現場では
・情報の反映に時間差がある
・登録トラブルが発生する
といった課題も見られます。
制度としては前進している一方で、「現場で本当に使いやすいか」は別の問題です。
当院では、患者さんが安心できる方法を優先して選んでいただいています。
47 「ベースアップ加算」とは何か
最近の医療費の変化に関係している制度の一つに、「ベースアップ評価料」があります。
これは簡単に言うと、医療スタッフの給与を上げるための仕組みです。
ただし、その原資の一部は、患者さんの窓口負担として反映されています。
つまり、
・患者さんが少し多く支払う
・その分がスタッフに還元される
という構造が国として推し進めている施策です。
私には、国が負担をせずに患者さんの負担を増やしていることに、疑問しか感じません。
46 最近、医療費が少し上がったと感じませんか?
「前よりちょっと高くなった気がする」
そんな声を患者さんからいただくことがあります。
実はこれは気のせいではなく、医療制度の変更による影響が出ています。
ただし、診察そのものの価値が上がったというよりは、制度上追加された「加算」が影響しているケースが多いのです。
45 医療の未来を考え続けることも医師の役割です
社会の変化とともに医療も変わっていきます。
制度や環境が変化する中で最善の選択を考え続ける必要があります。
目の前の患者さんと向き合いながら、医療の未来について考えることも大切だと思っています。
身体が動き限りは、医師としてできることを続けていきたいと考えています。
44 地域医療は組織の力で支えられています
地域の医療体制を維持するためには、組織としての取り組みが必要になります。
担い手が減る中で責任が集中することもありますが、必要な役割である以上向き合う必要があると感じています。
地域医療は一人では守れません。
支え合う仕組みが重要だと思います。
43 医療は診察室の外でも支えられています
医療は診療の場だけで成り立っているわけではありません。
地域の医療体制や制度の運営など、見えない部分が支えています。
こうした役割に関わる中で、医療は個人の努力だけでは維持できないものだと実感しています。
患者さんが安心して医療を受けられる環境を、様々な積み重ねによって守るようにしております。
42 無理をしない健康づくりが現実的だと思います
健康に関心があっても、大きなことを続けるのは簡単ではありません。
だからこそ、日常の中で無理なくできることを続けることが重要だと思います。
体にやさしい食事や生活のリズムを整えることが、結果として長く健康を保つことにつながると感じています。
41 若い世代の体調の悩みについて思うこと
最近は若い方でも体調の不調を感じる方が増えている印象があります。
生活環境や食事の変化など、さまざまな要因が関係しているのかもしれません。
最近は忙しさから食事を簡単に済ませる方も増えています。
外食や手軽な食事は便利ですが、体調への影響が出ることもあります。
もちろん個人差はありますが、生活習慣を見直すことで改善するケースも少なくありません。
無理な改善ではなく、できる範囲で食生活を整えることが現実的だと思います。
健康は特別な人のものではなく、誰にとっても身近なテーマだと思います。
40 人との交流が視野を広げてくれることがあります
医療は専門的な仕事ですが、人との関係の中で学ぶことも多いと感じています。
交流の場での会話や意見交換が、診療の考え方に影響することもあります。
医療は一人で完結するものではなく、つながりの中で深まっていくものだと思います。
39 医師も一人の生活者として社会を見ています
医師という仕事をしていても、日常生活の中で社会の動きを感じることは多くあります。
経済や株の話題に触れることもありますが、それは資産の話だけではなく、社会の方向性を知る一つの手がかりでもあります。
医療は社会の中にある仕事だからこそ、広い視点を持つことが必要だと感じています。
38 健康は日常生活の中で作られるものです
医療は病気を治す役割がありますが、健康そのものは生活の中で作られる部分が大きいと感じています。
食事、睡眠、生活リズム。
こうした基本的なことが体調に影響します。
特別なことをするよりも、続けられる習慣を持つことが大切だと思います。
37 食事はシンプルなものが体に合うと感じています
日々診療を続ける中で、体調と食事の関係を改めて実感することがあります。
特別な健康法ではなく、消化に負担をかけにくいシンプルな食事が体に合うと感じています。
豆腐のようなやさしい食品は年齢を問わず取り入れやすく、無理なく続けられる点も大切だと思います。
健康は一度に大きく変えるものではなく、日々の積み重ねの中で整っていくものだと感じています。
36 医師の専門性とは何か ― 標榜科の裏側
耳鼻咽喉科、麻酔科、アレルギー科。
標榜科には制度上のルールがありますが、実際には医師の専門性は一つではありません。
資格を持っていることと、日常診療で活かすことは別の話。
私は必要な分野に集中することを選んでいます。
肩書きの多さより、中身の深さを大切にしたいと考えています。
35 医療における「正しさ」とは何か
医療の世界に絶対的な正解は多くありません。
特に漢方のように経験と総合判断を重ねる医療では、一つの答えに決めつけることはできません。
可能性を広げ、複数の選択肢を考え、患者さん一人ひとりに合った方法を探す。
それが医療の本質だと私は考えています。
34 医師として、組織の中で責任を持つということ
医療現場の裏側では、診療以外にも多くの役割があります。
医師会活動や役員業務など、医療制度を支えるための仕事も少なくありません。
正直に言えば、負担は大きいです。
担い手が減り、役割が集中することもあります。
それでも、医療の質を守るためには、誰かが責任を持たなければなりません。
診察室の外でも、医療は続いています。
33 医師という仕事と家庭の両立
医師は想像以上に拘束時間の長い仕事です。
子育てにどれだけ関われたかと問われれば、正直、十分だったとは言い切れません。
休日も呼び出しがあり、夜遅くまで働くことも多い。
その中で家族と向き合う時間をどう作るかは、簡単なことではありません。
それでも、子どもをお風呂に入れたり、遊びに連れていったり、できることはしてきたつもりです。
今振り返ると、もっとできたこともあったかもしれません。
医療の現場と家庭のバランスは、多くの医師が悩むテーマです。
32 未病という考え方 ― 病気になる前に整える医療
漢方の話の中で出てきた「未病(みびょう)」。
まだ病気とは診断されないが、どこか調子が悪い、何かがおかしい。
西洋医学では異常値が出ない。
でも、本人はつらい。
未病を整えるという考え方は、これからの医療にとって重要だと思っています。
「検査で異常がない=問題ない」ではなく、体のバランスという視点から見る。
耳鼻咽喉科であっても、全身との関係を無視することはできません。
31 漢方という「もう一つの医療の見方」
私は耳鼻咽喉科医ですが、漢方にも関心を持ってきました。
西洋医学は、病名をつけてその病気を治療する医療です。
一方、漢方は少し考え方が異なります。
舌の状態、脈の打ち方、腹部の緊張感。
体全体のバランスを見て、「歪み」を整えることで改善を目指します。
病気になる前の状態――いわゆる「未病」を整える、という発想です。
すべてを漢方で治すわけではありません。
しかし、病名だけでは説明しきれない不調があるのも事実です。
医療には一つの正解だけがあるわけではありません。
多角的に考えることも、大切な姿勢だと思っています。
30 当院のスタンス
もし他院との会計に違いを感じることがあれば、それはこうした制度と判断の違いが背景にあるかもしれません。
疑問があれば、どうぞ遠慮なくお尋ねください。
医療の中身だけでなく、制度の仕組みについても丁寧に説明することが、医師の責任だと思っています。
しかし、ここは誤解しないでください。
他の医院が加算を算定していることを、批判するつもりはありません。
制度が認めている以上、正当な判断です。
医療機関ごとに経営状況も違います。
ただ、当院としては、現時点では算定しないものがあるという判断をしています。
それだけの話です。
当院は、そうした考えのもとで診療を続けています。
29 「取れるから取る」ではなく「意味があるかどうか」
制度がある以上、算定することは当然だ、という考え方も理解できます。
一方で私は、その加算が本当に患者さんにとって意味のあるものかどうかを、一つひとつ考えたいと思っています。
医療は制度の中にありますが、同時に信頼の上に成り立っています。
制度に従うことと、自分が納得して選択することは、必ずしも同じではありません。
当院は、制度を尊重しながらも、患者さんの負担とのバランスを大切にする姿勢を取りたいと考えています。
28 医療費は「数字」ではなく「生活の一部」
政策の世界では、医療費は「社会保障費」という数字で語られます。
しかし診察室では、それは生活費の一部です。
年金生活の方。
子育て世帯。
働きながら通院している方。
その中での数十円、数百円は、決してゼロではありません。
医療費抑制を進めるのであれば、患者さんの負担増以外の方法をまず議論すべきだと私は考えています。
27 自己負担額の違いについて
こうした判断の結果として、場合によっては他院と会計に差が出ることがあるかもしれません。
当院のほうが低くなることもあれば、他院のほうが高くなることもあると思います。
それは優劣の問題ではありません。
医療機関ごとの考え方や経営方針の違いです。
他院が間違っているということではなく、制度の中でそれぞれが判断しているということです。
26 当院の立場について
当院では、新設された加算の一部について、現時点ではあえて算定していないものが複数あります。
制度上は問題なく算定できますし、算定すること自体は正当な判断です。
そのうえで私は、患者さんの自己負担額を少しずつ増やしていく形で医療費を抑えていくやり方には、正直なところ納得しきれていない部分があります。
医療費が増えていることも、財政的な課題があることも理解しています。
それでも、窓口で支払う金額が静かに積み重なっていくことについては、医師として一度立ち止まって考えたいと思っています。
そのため、「取れるからすべて取る」という選択はしていません。
25 クリニックによって自己負担額に違いが生まれている理由
最近の診療報酬改定により、医療機関ごとに算定できる加算項目が増えています。
制度上、一定の条件を満たせば算定が可能であり、多くの医療機関が適切に申請・算定を行っています。
そのため、医療機関ごとの判断によって、患者さんの自己負担額に違いが生じることがあります。
同じような症状、同じような診療内容であっても、会計に差が出る場合があるのは、こうした制度の仕組みが背景にあります。
24 なぜ自己負担が上がるのか
診療報酬改定では、新しい加算(追加点数)が設定されることがあります。
例えば、
・医療DX加算
・地域包括加算
・機能強化加算
・外来管理加算の見直し
こうした項目は、要件を満たせば医療機関が算定(請求)できます。
他の医院では、制度上問題がなければ積極的に算定しているところもあります。
それ自体はルール違反ではありません。制度が認めているものです。
ただ、その分、患者さんの自己負担額は上がります。
3 割負担の方であれば、数十円から百円台の差かもしれません。
しかし通院が続けば積み重なります。
23 診療報酬改定と自己負担額について、正直にお話しします
最近、「前より少し会計が高くなった気がする」と感じている方もいらっしゃるかもしれません。
その背景には、診療報酬改定があります。
医療費は、国が決める「診療報酬」という仕組みで計算されています。
これは医療機関が自由に価格を決めているわけではありません。
国が「この検査はいくら」「この処置はいくら」と細かく点数を決めています。
そして改定のたびに、その内容が変わります。
22 合わない人がいても構わない
このブログを読んで、「医師は政治を語るべきではない」と感じる方もいるでしょう。
その考えも尊重します。
ただ私は、無難にまとめるよりも、本音を示したほうが誠実だと考えています。
思想を持つことと、患者さんに誠実であることは矛盾しません。
21 支持政党よりも政策の中身
私は政党名で判断しません。
重要なのは、
・医療をどう位置づけているか
・社会保障をどう考えているか
・現場の声を聞いているか
右か左かという単純な話ではありません。
医療を守ると言いながら、現場を締め付ける政策を出すなら矛盾です。
2026 年2月8日(日)に行われた衆院選でも同様に、思想よりも整合性を見ていました。
20 医師が静かにしていると何が起きるか
医療者が政治に触れないことは、一見すると中立に見えます。
しかし実際には、「現状を追認する」という立場になります。
制度が現場を苦しめていても、医師が黙っていれば何も変わりません。
私は、医療が静かに弱体化していくことを無関心で見ているつもりはありません。
医師は聖職者ではありません。
社会の中で働く一人の専門職です。
だからこそ、制度や政策に意見を持つことは責任の一部だと思っています。
その理由もあって、幻冬舎から出版された 私の著書「医療崩壊前夜 2025/3/4」にも、思いの丈をぶつけています。
19 医療現場から見える「政治の責任」
私は医師ですが、政治の話を避けません。
なぜなら、政治は医療の外側にあるものではないからです。
診察室で患者さんと向き合っていると、制度の影響を日々感じます。
「自己負担が上がったので、様子を見ます」
「検査は最小限でお願いします」
「年金生活なので、薬は減らせますか」
これらは個人の問題ではありません。制度設計の結果です。
医療費抑制、財政健全化、社会保障削減…
それらの言葉は、政策の世界では数字で語られます。
現場では「受診を控える人が増える」という形で現れます。
私は医療費を無制限に増やせと言っているわけではありません。
しかし、財政規律だけで語られる医療政策には疑問を持っています。
医療はコストではなく、社会の基盤です。
感染症が広がったとき、医療が崩れれば社会は止まります。
高齢者医療が弱れば、家族の生活も不安定になります。
政治は、未来の医療の形を決めます。
だから私は選挙を他人事にしたくありません。
18 思想は持つが、診療は公平に
ここを誤解しないでください。
私は診察室では、思想を持ち込みません。
どんな立場の方でも、症状に対して最善を考えます。
思想は社会への姿勢。
診療は専門職としての判断。
これは分けて考えています。
17 医療の未来を決めるのは誰か
医療の未来は、専門家だけでは決まりません。
有権者の判断が積み重なって決まります。
だから私は、患者さんにも選挙に行けとは言いませんが、「関心は持ってほしい」と思っています。
医療費がどう決まるか。
保険制度がどう変わるか。
それは生活の一部です。
16 選挙に行かない医療従事者が増えると、医療は弱くなる
私は選挙に行きます。
特別な理由はありません。
社会の方向を決める機会だからです。
医療制度は、政権が変われば方針も変わります。
・診療報酬改定
・保険適用範囲
・高齢者負担割合
これらは政治の決定です。
投票率が下がれば、現場の声は届きにくくなります。
医療は声を上げないと、後回しにされやすい分野です。
なぜなら、医療従事者は忙しく、政治活動に時間を割けないからです。
しかし、無関心は選択です。
私は現場を知る立場として、最低限の意思表示は続けます。
15 医師が黙っていることのリスク
「医師は医療だけやっていればいい」
そう言われることもあります。
しかし、医師が社会の動きに無関心になったとき、医療は簡単に、数字や効率だけの世界になります。
医療が壊れていくときは、いつも「静かに」「気づかれないうちに」進みます。
だから私は、 医療者としての立場から、社会や政治について考え、必要な場面で伝えていくことをやめたくありません。
14 政治は診察室の外の話ではない
医療費、社会保障、診療報酬、医療制度 …
これらはすべて、政治の決定によって左右されます。
患者さんが
「医療費が高くて通院を控えている」
「将来が不安で、治療をためらっている」
こうした声を口にされるたびに、私は思います。
これは個人の問題ではなく、社会の仕組みの問題だと。
診察室の中で起きていることは、 国の方針や政治の結果が、静かに現れている姿でもあります。
13 「こんなことで受診していいのかな?」と迷ったら
患者さんからよく聞く言葉の一つに、
「これくらいで病院に来るのは大げさですか?」
というものがあります。
結論から言えば、不安を感じている時点で、受診する理由は十分にあります。
症状の重さだけでなく、「気になる」「心配」という気持ちも、大切なサインで
す。
当院は、重い病気だけを見る場所ではありません。
日常の中で感じる小さな不調や違和感も、安心して相談できる場所でありたいと考
えています。
12 鼻水・鼻づまりが続くとき、放っておいて大丈夫?
「鼻水が出る」「鼻がつまる」
よくある症状だからこそ、つい我慢してしまう方も多いかもしれません。
しかし、症状が長く続く場合、単なる風邪ではなく、副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎などが隠れていることがあります。
特に、
・黄色や緑色の鼻水が続く
・頭が重い感じがする
・においが分かりにくくなった
といった症状がある場合は、一度きちんと確認することが大切です。
早めに原因を見極めることで、症状を長引かせずに済むことも多くあります。
「このくらいで受診していいのかな」と迷ったときこそ、気軽にご相談ください。
11 風邪が長引く人と、すぐ治る人の違いとは?
同じように風邪をひいても、数日で回復する人もいれば、なかなか治らず長引いてしまう人もいます。
この違いの一つに、「体の抵抗力(免疫力)」があります。
睡眠不足が続いていたり、疲れがたまっていたり、強いストレスを感じていると、体の回復力は低下しやすくなります。
また、「無理をして治りきらないまま動き続けてしまう」ことも、症状が長引く原因になることがあります。
薬を飲んで一時的に楽になっても、体の中ではまだ回復途中という場合も少なくありません。
当院では、症状そのものだけでなく、生活状況や体調の変化も踏まえて診察を行います。
必要に応じて、「今は無理をしない方が良い時期ですよ」とお伝えすることもあります。
10 「ちゃんと説明してもらえた」と感じてもらうために
病院で説明を受けたけれど、
「よく分からないまま診察が終わってしまった」
そんな経験はありませんか?
医療の現場では、どうしても専門用語が多くなりがちです。
また、忙しい診察の中で、質問をするタイミングを逃してしまうこともあるかもしれません。
当院では、患者さんが「理解できた」「納得できた」と感じられることを大切にしています。
病名や治療内容だけでなく、
・なぜその症状が起きているのか
・このまま様子を見てよいのか
・気をつけるポイントは何か
といった点も、できるだけ分かりやすい言葉でお伝えするよう心がけています。
「こんなことを聞いていいのかな」と思う必要はありません。
疑問や不安があれば、遠慮なくお話しください。
9 患者さんあっての医療、という信念
私が医師になった頃から、考え方は大きく変わっていません。
「患者さんがいてこそ、医療がある」
この一点だけは、ずっと揺らいでいません。
診察では、できるだけ丁寧に説明することを心がけています。
薬を出すときも、出さないときも、その理由を伝えたい。
納得したうえで治療を受けていただきたい。
効率や流れ作業を優先する診療には、私は違和感を持っています。
時間は限られていますが、それでも人として向き合う姿勢は失いたくありません。
8 医師として「ブレない」ために、医療以外の軸を持つ
私は、医師が医療収入だけに依存しすぎることには、危うさも感じています。
余裕がなくなれば、判断は鈍ります。
理想を掲げていても、現実に引きずられてしまうことがある。
そのため、私は経済や投資についても学んできました。
それは決して「儲けたい」からではありません。
医師としての判断を、経済的な事情から切り離すためです。
患者さんにとって最善の選択をするためには、
医師自身が精神的にも経済的にも、ある程度の余裕を持っている必要がある。
これは、長年診療を続けてきて、私が実感していることです。
7 医療だけを見ていては、患者さんは診られない
私は耳鼻咽喉科医ですが、医療のことだけを考えて生きてきたわけではありません。
むしろ、社会の仕組みや経済、政治の動きに強い関心を持ちながら、ここまで診療を続け
てきました。
医療は、決して医療だけで完結する世界ではありません。
医療費、社会保障、経済状況、国の政策。
それらすべてが、患者さんの生活や健康状態に直結しています。
「医師が政治や経済の話をするのはどうなのか」
そう思われる方もいるかもしれません。
ですが私は、医療者こそ、社会全体を見なければならない立場だと考えています。
6 日本の医療は、安すぎる?
日本の医療費は、世界的に見ても低水準だと言われています。
少ない自己負担で、いつでも医療を受けられる。
これは日本の大きな強みであり、多くの国から評価されている点です。
実際、風邪をひいたとき、けがをしたとき、「すぐに病院に行ける」という安心感は、私たちの日常に深く根付いています。
一方で、その「安さ」は、決して自然に生まれたものではありません。
医療機関では、
・高度な医療機器
・薬剤
・専門的な知識と技術
・多くのスタッフ
によって、医療が成り立っています。
これらには当然、コストがかかります。
しかし日本では、医療費が厳しく抑えられているため、現場では常に「限られた条件の中で、質を保つ」努力が求められています。
安く医療を受けられることは、確かに大きなメリットです。
ただ、その裏側で何が起きているのか。
少し立ち止まって考えてみることも、大切なのかもしれません。
「安さ」と「質」を、どう両立させるのか。
それは、これからの日本の医療が直面している大きな課題です。
5 医療は、少しずつ変わっています
「医療崩壊」という言葉を聞くと、多くの方は、突然病院が閉まり、医療が一気に受けられなくなるような大きな出来事を想像されるかもしれません。
しかし、実際の医療現場で起きている変化は、もっと静かで、目立ちにくいもので
す。
・後継者がいないまま、高齢の医師が診療を続けている
・スタッフが集まらず、診療時間を短縮せざるを得ない
・医療機器が古くなっても、簡単には更新できない
こうした一つひとつは、ニュースになるような出来事ではありません。
けれども、その小さな変化が積み重なった先に、地域医療の力は少しずつ弱っていきます。
「前より待ち時間が長くなった」
「診てもらえる日が限られてきた」
そんな“違和感”こそが、医療が変わり始めているサインでもあります。
医療は、ある日突然壊れるのではなく、静かに少しずつ姿を変えていくものなのです。
4 なぜ医師は足りなくなっているのか
ニュースなどで「医師不足」という言葉を耳にする機会が増えています。
すると、多くの方は
「医師の数が足りないのでは?」
と感じるかもしれません。
しかし実際には、医師不足の問題は 単に人数が少ないという話ではありません。
医療の現場では、いくつもの要因が重なり合って、「医師が足りないと感じる状況」が生まれています。
まず一つは、働き方の問題です。
医師は診察だけでなく、
・書類作成
・説明対応
・緊急対応
・医療安全への配慮
など、多くの業務を抱えています。
次に、地域の偏りです。
都市部には医師が集まりやすく、地方や郊外では、少人数で広い地域を支えなければならないケースも少なくありません。
さらに、医療の専門分化も影響しています。
医療が高度化するにつれて、一人の医師がカバーできる範囲は狭くなり、以前よりも多くの医師が必要になっています。
こうした状況が重なった結果、「どこに行っても医師が足りない」という感覚が生まれているのです。
医師不足とは、誰かが怠けているからでも、医師が増えていないからでもありません。
医療の形が変わる中で、今までの仕組みが追いつかなくなっているその現れだといえるでしょう。
3 セカンドオピニオンは、失礼なことですか?
「他の病院に行ったら、今の先生に悪いかな」
「疑っていると思われないかな」
セカンドオピニオンを考えたとき、こうした気持ちになる患者さんは少なくありません。
日本では特に、医師に対して遠慮したり、「お任せするのが礼儀」と感じたりする文化があります。
そのため、疑問や迷いがあっても、一人で抱え込んでしまう方も多いのが現実です。
しかし、医療は人生に深く関わる大事な選択です。
治療の方法、
手術をするかどうか、
薬を続けるかどうか。
どれも、その後の生活や人生に影響します。
そうした場面で、複数の医師の意見を聞くことは、決して失礼なことではありません。
むしろ、納得して治療を受けるための、とても健全な行動です。
医師の考え方や経験、専門分野によって、診断や治療方針が異なることは珍しくないのが実態です。
それは、どちらが正しい・間違っているという話ではなく、医療がそれだけ奥深い分野だということです。
セカンドオピニオンを受けることで、
・自分の状況がよりよく理解できた
・不安が整理できた
・今の治療方針に納得できた
というケースも多くあります。
患者さんが 「自分の人生として選ぶ医療」
そのために、セカンドオピニオンは存在しています。
2 「良い医者」とは、何を基準に選べばいいのか
体調が悪くなったとき、患者さんは「どの病院に行くか」「どの医者に診てもらうか」を選ばなければなりません。
ですが、多くの方はこう感じているのではないでしょうか。
● 家から近いから
● 待合室が混んでいるから人気なのだろう
● 昔から通っているから
● 他に選択肢がよく分からないから
これらは決して間違った理由ではありません。
ただ一方で、「自分にとって本当に合った医師かどうか」という視点は、意外と置き去りにされがちです。
では、患者さんの立場から見て、良い医師とはどのような医師でしょうか。
私はまず、次の点が大切だと考えています。
1.説明が分かりやすい医師
病名や治療内容を、専門用語ばかりではなく、患者さんが理解できる言葉で説明してくれるかどうか。
「今どんな状態なのか」
「なぜこの治療をするのか」
こうした説明があるだけで、不安は大きく減ります。
2.質問しやすい雰囲気がある医師
患者さんが遠慮してしまい、「聞きたいけれど聞けない」状態になっていないか。
良い医療は、医師の一方通行では成り立ちません。
患者さんが納得して治療を受けられることが重要です。
3.治療の見通しを伝えてくれる医師
「どのくらいで良くなるのか」
「通院はどれくらい続くのか」
こうした見通しを示してもらえると、生活の中で治療をどう位置づければいいのかが分かります。
医師選びに正解はありません。
ただ、「安心して任せられるかどうか」という感覚は、とても大切な判断材料になります。
1 ブログ始めました
院長の原口 兼明がブログを始めました。私の主観を定期的に発信していきます。